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【閃の軌跡シノプシス】レビュー 第3回 閃Ⅰのストーリー<シリーズの土台に成りきれなかったⅦ組の絆と帝国の問題>

※閃の軌跡シリーズのネタバレおよび悪口が含まれています。

※軌跡シリーズは閃のみプレイ済です。

※本記事の読了目安時間は20分前後です(約8000文字+表)。

 

こんにちは、まゆげと申します。

 

本日は、閃の軌跡シノプシスレビュー第3回 閃の軌跡Ⅰストーリーです。

閃の軌跡Ⅰ ロゴ

 ※過去回はこちら。各回は独立しているため、今回だけ読んでも大丈夫です。

第1回導入編 第2回テキスト編 

 

一応シノプシスのレビューと銘打っていますが、あらすじ紹介+ゲームプレイ時の振り返りみたいな感じになっています。

 

閃の軌跡Ⅰのストーリー

プロローグのガレリア要塞は省略し、序章から見ていきます。

序章

士官学院に入学したリィンは、アークスという最新の戦術デバイス(身体能力が向上したり魔法が使えるようになるが通信機能はPHS並のすごいスマホ)の適正があるという理由で、Ⅶ組という特別クラスに割り当てられます。
Ⅶ組は、他に8人います。

 

感想
キャラが多すぎます。

例えば、ダンガンロンパとか彼方のアストラみたいに主要キャラのみで物語が成立するのであればいいのですが…。

アークス云々は、建前が強いものの、Ⅶ組設立の大きな理由のひとつです。

しかし、半年ちょっと経つと(Ⅱのラスト)、士官学院生全員がアークスを使えるようになります。

 Ⅶ組のおかげで皆が使えるようになったということかもしれませんが、アークスの試験データ等を開発元のラインフォルト社へフィードバックするような描写はありません。

結果的にⅦ組の優位性を失っただけの描写に感じました。

アークスの設定はもっと大事に描いて欲しかったです。

 

第1章

閃の軌跡Ⅰ 第1章相関図

Ⅶ組は、地方遠征を行い、その先々での困りごとを解決する『特別実習』を行います。
初めての特別実習では、ケルディックという街に行きますが、そこでは貴族と平民の確執を垣間見ることになります。

 

 感想
貴族と平民の対立が描かれており、この世界の問題を提起しています。
軍人と夜盗が実はグル、っていうのはよくあるやつですが、素直に面白かったです。
ラウラとリィンの衝突もあり、リィンは俺なんて所詮初伝止まりとか言って卑屈になることから、自身に何か悩みがあることがわかります。
あと、ラッキースケベ事件で怒っていたアリサとリィンも仲直りしますが、これはまじでどうでもいいです。

 

第2章

閃の軌跡Ⅰ 第Ⅱ章相関図

2回目となる特別実習では、Ⅶ組メンバーであるユーシスの親父が統治するバリアハートを訪れます。
実習中、マキアスは謎の冤罪で領邦軍に捕まってしまいます。
マキアスは貴族と対立する立場にある帝都知事の息子であるため、交渉材料にされてしまったのです。
なんやかんや力を合わせてマキアスを助けます。

 

 感想
第1章と同様に、貴族と平民(革新派)の問題が起こり、これが帝国の問題、そして立ち向かうべき問題であることがわかってきました。
リィンのおせっかいを危うく見えるというユーシスの言葉により、やはりリィンが何かに悩んでいることがわかります。

また、マキアスとユーシスの対立は正直ついていけませんでしたが、本章でそれが少し解消されたのはよかったです。

エマの魔術(という名のピッキング)、フィーの爆薬なども活躍し、一人ひとりの個性も見れたいい章でした。

 

第3章

閃の軌跡Ⅰ 第3章相関図

お決まりのパターンで、3回目の特別実習ではノルドを訪れます。
ノルドは、帝国領ではなく、帝国の敵国とされるカルバード共和国軍基地との境界にある土地です。
なんとそこで帝国軍監視塔と共和国軍基地の両方が砲撃されます。
お互いがお互いに攻撃されたと思いこみ、まさに一触即発となる両国。
しかし、Ⅶ組はミリアムという少女の協力のもと黒幕を見つけ、戦争を回避します。

 

感想
これまで貴族と平民(革新派)の対立を描いてきましたが、ここで一変して、隣国との戦争問題が出てきます。

そして、黒幕である帝国開放戦線が姿を見せます。
プレイ時はミリアムが何なのかさっぱりでした。

情報局とか言われても何の組織??ってなりましたし。

でも、話がわかるとおもしろいです。
しかし、帝国と共和国を戦争させることにどんな目的があったのかはいまだにわかりません。

 

第4章

閃の軌跡Ⅰ 第4章相関図

4回目の特別実習では帝国を訪れます。
帝国では夏至祭という大きいお祭りがあるので、ノルドの一件で露わになったテロ組織を警戒しようみたいなことになります。
案の定、皇女(とリィンの妹)が誘拐されますが、なんとか事なきを得ます。
そして、一連の組織が帝国に反旗を翻す集団であることがわかります。

 

感想
帝国vsテロ組織 の構図が見えてきました。

貴族と平民の確執と根幹は同じであり、帝国開放戦線は、帝国に対する不満をもつ組織であることがわかります。
また、オリヴァルトがⅦ組をつくった目的が、「帝国が抱える対立を乗り越える若者の育成」であることが明かされます。

なるほど、士官学院としての理念とするにはあまりにもぶっちゃけすぎですもんね。

こっそり行っているっていうのもわかる気がします。

ちなみに他の理事達(ルーファス、カール、イリーナ)にも思惑があるとか言ってますがそれは一体何だったのでしょうか。
なんにせよⅦ組の面々はそれを聞いてやる気に満ち溢れている様子ですので、きっとこの問題を解決するために動くのでしょう。
そんなⅦ組内部では、フィーとラウラの衝突、エリオットの決意、マキアスの貴族嫌いの理由なども明かされ順調にメンバーのこともわかってきます。
そういえば、この4章で戦う骨ドラゴンはⅢで出てくる暗黒竜の骨だそうです。

別に大した伏線になっていないのがチャーミングです。

 

第5章

閃の軌跡Ⅰ 第5章相関図

第3章で協力してくれたミリアムがⅦ組に編入します。
彼女は帝国情報局というところに所属しており、情報局の依頼を皇帝が許可した形(トールズは皇立)になります。
この時点では明かされませんが、情報局は、帝国開放戦線のリーダーはトールズの人間だと推測したためミリアムを送り込んでいます。
また、バンダナ先輩も単位が足りないという理由でⅦ組に編入します。
第5章では、レグラムとガレリア要塞に行きます。
レグラムでは、ヴィクターとの模擬戦により、リィンは自分の鬼の力と向き合うきっかけを得ます。
ガレリア要塞では、帝国開放戦線が現れ、列車砲というめっちゃやばい兵器を奪われます。
彼らの目的は列車砲を使って市民もろとも帝国宰相を殺すことでした。
が、(なぜか)Ⅶ組が阻止します。

 

感想
プレイ時はバンダナ先輩が仲間になるとは思いませんでしたからとても意外でした。

バンダナがあまりにもダサく見えたのでモブキャラだと思い込んでいたのです。
リィンは自分の力と向き合うきっかけも得られ、テロ組織とのバトルを中心にして盛り上がりを見せます。
クロスベルではしれっとGが死んでいます。

敵キャラの死亡を伝聞で知るというのはかなり斬新であり、敵サイドの戦力を確実に削いでいることもわかるため、個人的には隠れた高評価ポイントです。
しかし、ローエングリン城での出来事って一体何だったのでしょうか。

城がおかしくなったのも意味不明ですし、アリアンロードがいた理由もわかりません。この時に銀の騎神の起動者になったのでしょうか?わからん、誰か教えて。


第6章

閃の軌跡Ⅰ 第6章相関図

鉄鉱山が帝国開放戦線に占拠され、やはりⅦ組が横やりを入れます。
追い詰められた帝国開放戦線は、飛行艇で逃げようとしますが、何者かに撃墜されます(という芝居を打って、壊滅したと見せかけた)。

 

感想
帝国開放戦線との戦いです。

彼らが領邦軍とグルであることがわかります。
そして、一応の決着を得ます。

めでたしめでたし。
しかし、帝国開放戦線が鉄鉱山を占拠した理由がよくわからんのです。誰か教えて…。


幕間

ゲーム本編ではカットされ、ドラマCDになった部分のようです。
Ⅶ組は、鉄鉱山での活躍を皇帝に認められ、温泉郷であるユミルに招待されます。
季節外れの雪により、ケーブルカーの運行が出来なくなってしまいます。
この現象は、リィンのトラウマとなった事件が起きた時と似ているらしく、リィンは自身のトラウマを仲間に打ち明けます。
リィンのトラウマとは、鬼の力が暴走して魔獣を八つ裂きにしてしまい、我を失った&妹エリゼを怖がらせたことです。
それ以降ずっと自分の力に悩んでいることを知った仲間たちは俺たちがいるぜ的な励ましをします。
降雪は、人為的なものであるとし、リィンたちはその原因を探り、元凶である魔獣を撃退します。
そして、今回の事件の黒幕であるブルブランが現れます。
ブルブランの行動原理は美しいものを見ることです。
リィンたちが過去と向き合い真実を見つけることに興味があるとかなんとか言いますが、リィンさんの「俺にとっての真実はお前にとってはただの事実だ」みたいなおしゃれな返しに満足して帰っていきます。

 

 感想
リィンのトラウマがようやくはっきりわかり、かつ少し吹っ切れるようになったイベントでした。
あと、リィンはここで中伝になります。

Ⅱをやっていて、いつの間に中伝になったの?って思ったらこんなところで。

八葉一刀流は通信教育だったんですね。
ブルブランは、ストーリー上はどうでもいいキャラなのですが、閃キャラクターの中では珍しく行動原理がはっきりしているキャラなのでありがたいです。

いちいち戦うのは謎ですが。
それにしても、この話をカットしたのはなぜでしょうか…。

リィンのトラウマと中伝云々はそこそこ大事な気がしますが。

 

最終章

閃の軌跡Ⅰ 最終章相関図

トールズ士官学院の旧校舎が結界に包まれます。
中に入れるのはどうやらⅦ組のみであることから、Ⅶ組が調査を任されます。
旧校舎最下層で謎の試練を受けさせられて見事合格。
動かないでかいロボットを見つけます。
その翌日、学院祭を行います。
リィンたちは学園ものの定番、バンドやります。
もちろん大盛り上がりします。
学院祭の余韻も束の間、ガレリア要塞が消滅したというニュースが入り、その事態に対しオズボーン宰相がクロスベル(と、その裏にいるであろうカルバード共和国)に対し宣戦布告を行おうとしますが、演説の最中に狙撃され死亡します。
帝国開放戦線は実は生きており、なんとそのリーダーはクロウでした。
クロウは、貴族と秘密結社、猟兵を味方につけ、最新のロボ軍隊で帝国を制圧します。
トールズ士官学院も制圧されそうになり、Ⅶ組はそれに立ち向かいます。
リィンはスーパーロボを呼び応戦しますが、同じくスーパーロボに乗ったクロウに敗れてしまいます。
Ⅶ組の面々は、リィンとロボは失ってはならない希望だと信じて囮となります。
そしてロボはリィンの意思に反してどこかに撤退します。

 

感想
怒涛の展開ですが、ひとつずつ見ていきましょう。
まず、水増しダンジョンである旧校舎の探索が終わります。

旧校舎はロボ保管庫だったのですね。

獅子戦役を終えたドライケルスがトールズを建て、ヴァリマールもそこに封印したということでしょうか。

しかし長い道のりでした、試されまくり。

それにしても勝手に青白くなったりして、なんて自己主張の強い試練でしょう。
次に学園ものの定番である文化祭が行われます。

一応この学院祭には意味があるようです。

一つ目は、革新派と貴族派の対立問題が解決していない中で、平民と貴族共に楽しめる空間を提供したいというリィンたちの想いの演出。

二つ目は、クロウを中心に据えて、クロウがⅦ組の一員であることの強調。

が、文化祭イベントは正直見ているのがきつかったです。
そして実はクロウが黒幕でした。

仮面マンの正体は主人公サイドの近しい人である、という法則を東京ザナドゥ、イースⅧで学んでいたはずでしたが、当てることができませんでした。くやしい。

しかし、鉄鉱山でのアリバイ工作などはなるほどーと感心しました。

クロウがわざわざ士官学院に入学した理由がわかりませんが…。別にメリットなくない?
ロボットバトルは、『タカヤ 夜明けの炎刃王』並みに度肝を抜かれました。

そして

終わってねー!いや、知ってましたけど。

改めてまとめてみると見事にぶつ切りですね。区切りがついていないですからね。

バッドエンドにもなっていないのです。

来年もぜってぇ見てくれよな!って言ってるわけですからほんといい度胸してますね日本ファルコム。

 

という感じでストーリーの振り返りは以上です。

さて、ここからがストーリーのレビューになります。
すなわち閃Ⅰのストーリーが面白いかどうかを評価します。

とは言っても面白さを適切に評価するのはやはりかなり難しいので、いくつかポイントっぽいところを取り上げて感想を言うだけになっちゃいます。

 

主人公リィンの目的は達成できたか

閃の軌跡Ⅰ リィン プロフィール

自分の"道"を見つける——まずはそこからだ

                            日本ファルコムHPより引用

まず、リィンの目的はなんでしょうか。
リィンは、自身の出自がわからず、謎の力を持っていることから、自分の居るべき場所はシュバルツァー家ではないと考え、自分の道を見出すために士官学院に来ました。
自分の道を見出す、だと曖昧すぎるので、もう少し具体的にしましょう。
逆に考えれば、自身の出自を知り、鬼の力が何なのかを知れば、将来何をするか決めるということに繋がりそうです。
しかし、リィンはそのための行動を起こす素振りはありません。

悩んではいます。悩みはあるものの、その解消のために動くことはしません

インド行けば何か見つかる!と思っている若者と同じで、とりあえず士官学院に来た後は流れに身を任せています。
そして、何も明らかにならないまま、変な力があっても俺は俺だ理論に行き着きます。

残るは将来の道ですが、これについては作中で何も語られていないのでわかりません。目の前のことにいっぱいいっぱいで、特に考える余裕がなかったのでしょう。

目の前のこととは、帝国の抱える問題のことです。
帝国の問題は次で語るとして、結果として、リィンの目的はほとんど果たされません。まぁそもそもリィンに目的があるようには感じませんでしたが。

 

帝国の抱える問題は解決されたか

閃Ⅰのストーリーの核の部分です。

帝国の抱える問題とは、貴族と平民(革新派)の対立、さらにそれが発展したのが帝国開放戦線と帝国の対立です。
まず貴族と平民の間にどういった確執があるだとか、増税の目的だとか平民の困窮度とかはいまだにイマイチよくわかっていません。

そもそも貴族制と言われても馴染みがなくてピンとこないのです。

ただ、横暴な貴族と領邦軍が出てくるため、貴族はなんとなくイヤなやつが多いなというイメージを持ち、実際に貴族側と対立することが多いです。

しかし、主人公サイドは別に平民や革新派に肩入れしているわけでもなく、問題に真正面からぶつかるわけでもなく、たまたま巻き込まれているだけで、根本的にどうしたい・どうするべきかという答は持ち合わせておりません

唯一、学院祭は貴族も平民も参加するからがんばって盛り上げようとします。

がんばりどころがそこでいいのかは甚だ疑問、というか、盛り上げを一番手伝ってくれたのはテロ組織のリーダーですから茶番です。
そして、帝国開放戦線+貴族と帝国との内戦が勃発します。

この問題にどう立ち向かうとかっていう前に物語が終わってしまいます
つまり、帝国の抱える問題も当然解決されません。

 

Ⅶ組の絆の描き方

Ⅶ組は帝国の縮図であるとも(ぎりぎり)言えます。

貴族も平民をはじめ、色んな立場の人間がいるわけで、実際に対立も起こります。

閃Ⅰのストーリーのもう一つの軸はⅦ組という集団の成熟です。
Ⅰのラストでは、リィン以外のⅦ組メンバーは、リィンとヴァリマールを逃がすという選択を取ります。

これは、(リィン以外の)Ⅶ組としての答えを出すことが出来た重要なシーンでしょう。
つまり、この時点でⅦ組はある程度まとまりある集団に成長したと言えます。

では、どのようにして絆が生まれたのでしょうか。

よくレビューで言われているのが、「Ⅶ組の絆が浅い」とか、「リィン以外のメンバー間の交流がない」です。
つまり、Ⅶ組が成熟しているようには描かれていないように見えるということです。
私も同じ意見ですが、なぜそう思われるのか。
またしても数えてみました。

 

閃の軌跡Ⅰ Ⅶ組の絆

字が小さくて見えないと思います。ごめんなさい。

Ⅶ組それぞれのメンバー間でどの程度交流があったのかを数値化してみました。
特別実習で同行したり、メインストーリー上のイベントを1ポイントとしています。
例えば、マキアス×ユーシスで見てみると、1章同行、2章同行、2章寝室でのイベントがあるので3ポイントです。

そうして、各キャラクターの合計ポイントも出しています。
なお、Ⅶ組全体で取り組んだ出来事として、序章の旧校舎の魔獣、学院祭、旧校舎の最後の試練がありますが、これはカウントしていません。
ちなみに、0ポイントと、5ポイント以上はそれぞれ色分けしています。

リィンは圧巻の36ポイント、さすがです。

全てのキャラクターと交流を持っています。
クロウとミリアムは途中参加ですからあまりポイントがありません。
その他のキャラは総合ポイントで見ても面白くはありません。
各キャラクター間を見ていきましょう。
なんと、結構0ポイントがいます

特別実習ってうまく均等に割り振られているんだろうな、って勝手に思っていたんですが、全然そんなことはありませんでした。
マキアス×フィー
ユーシス×エマ
の組み合わせは6回の実習全てで同行しています。

しかもⅡの第1部でも同行しています。へー仲良し。
逆に、
エリオット×ユーシス
エリオット×エマ
の組み合わせは一度も同行していません

Ⅱの第1部でも同行していません。エリオット…。

表の青枠は男性メンバー同士、赤枠は女性メンバー同士を示しています。

女性メンバー同士は3ポイント以下の組み合わせしかありません。確かにあまり仲良くはなさそう。

 

とまあ、こんなカウントしておいて何ですが、同行したしていないは重要ではありません。
大事なのはやはりストーリー上の出来事です。

表の中の赤字が特別な出来事ですが、数えるくらいしかありません。

それもそのはず、キャラクター間の組み合わせは55通りあるのでやってられるわけがないのです。

では、重要な人物との絆は描けているのか。
そう、リィンとクロウです。
黒幕がクロウであることを知ったリィンは、「戻ってきてもらうぞクロウ」と言います。

このセリフに疑問を持った人は私と同じくリィンに感情移入できなかった人だと思います。
リィンのセリフは、クロウを信頼しており、のっぴきならない事情を察しての言動です。
リィンはなぜこれほどクロウを信頼したのでしょうか。
クロウは、コインの手品にかまけて小銭をかすめ取って、4章で甲冑お化け退治に助太刀してくれて、学院祭を盛り上げてくれた人です。

やはり納得できるイベント内容ではありません。

例えば、鬼の力の制御を手伝うとか、魔獣からリィンを庇ってケガをするとかなんかそんなのがあればよかったのですが。

Ⅶ組の絆というのはやはり理解できません

 

まとめ

リィンの目的が達成されたか、帝国の問題は解決されたか、Ⅶ組の絆の描き方という観点でストーリーを評価してみました。
問題が何も解決されないどころか、最後に新たな問題が勃発して終わるという展開は、やはりおかしいと思います。

伏線を張っているつもりかもしれませんが、見えてしまっていればそれは伏線ではなく謎です。

謎は氷解するまではただのストレスです。
そして感情移入がしにくいⅦ組の絆とつまらないセリフ回し。
正直、ひとつの作品として成立しているとは思えません
ただ、最終章に至るまでの各章のエピソードはふつうに面白いと思いました。

フォローではありません

これで閃Ⅰのストーリーのレビューを終わります。