※テイルズオブヴェスペリアのネタバレを含みます。
※閃の軌跡成分多めです。閃の軌跡Ⅳテキストランキングを先に見ていただいたほうがスムーズかもしれません。
※本記事の読了目安時間は約10分です(約4900字)。
こんにちは、まゆげと申します。
突然ですが、皆さんは『閃構文性疾患』という病名をご存じでしょうか。今年初めに厚生労働省が『健康増進法』の改正案を公表したニュースと共に記憶に新しい事かと思います。
この病気の主な症状は、本来何の変哲もないはずのセリフが気になってしまうようになります。キャラクターが「見極めよう」なんて言った日には、「ほんとに見極める気ある?」と謎の疑いを持ってしまい、普通にゲームをするのは困難になります。症状の程度に個人差が大きく、自然治癒した例もありますが、発狂して自我が崩壊した例まで様々です。
閃構文性疾患は、2013年ごろに初めて症例が確認された病気で、根本的な原因はわかっていなかったものの、当時は発生件数が少なく、症状も比較的緩やかであったため問題視する声は多くありませんでした。しかし、2017年秋頃から急速に蔓延し、被害は拡大しています。
当初はゲーム機を媒体としたウイルスによる感染症であるとされていましたが、ウイルスの存在は確認されておらず、現在は、『特定の文字列(=閃構文)』の過剰摂取によるアレルギー疾患並びに精神疾患であり、大別すると生活習慣病の一種であるとの見方が主流なようです。日本でしか症例が確認されておらず、風土病である側面も持っており、世界保健機構(WHO)の認定はまだ先になりそうで、現状、効果が認められたワクチンはなく、発症後の有効な手段は、閃媒体からの隔離となっています。
事態を重く見た厚労省は、『国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針』において、表現物の特定の文字列に対し閾値を設けることについての告示を公表しました。これにより、『というか』および『見極める』は規制の対象となることが決まっており、来年以降規制対象は拡大するとされています。この異例の措置は、事実上表現の自由に干渉することになり、各メディアで物議を呼んでいます。
しかし、これもまた抜本的な解決策とはなっておらず、厚労省のこれまでの鈍重かつ安直な対応を非難する声は多く、特に発症者に対する早急な対応策の検討が叫ばれています。
何を隠そう私も患者の一人です。最近、テイルズオブヴェスペリアをやっていたのですが、やはりテキストに反応してしまいます。
はい、というわけで本日はテイルズオブヴェスペリアより、気になるテキストランキングをお送りします!
これは、プレイしていて気になったテキストをカウントしてランキング形式で紹介する企画です。それではいってみましょう。
※全ての人に話しかけたりして集計したわけではなく、なりのプレイで気が付いたらカウントって形で集計しています。なのでご参考までに。
13位タイ ああもう! 1回 (閃Ⅳ 5回)
『ああもう!』はユウナの技じゃなかったのか!と思うじゃないですか。でも、『ああもう!』はそれほど難しい技ではありません。エリオットやヨナくんも使えるんです。
13位タイ 時間が惜しい 1回 (閃Ⅳ 5回)
みんな大好きリィン教官の得意技です。主人公ともなるとこの技は必修なのかもしれません。しかしちょっと惜しいのが、ユーリは『じかん』と読んでいるんですよね。これでは本場に行ったら笑われてしまいます。ちゃんと『とき』と読みましょう。
11位タイ 殊勝 2回 (閃Ⅳ4回)
殊勝って普通の言葉ですからね、別に取り上げなくてもいいような気もしたのですが…。これがもし5回とかだったら発狂していたかもしれません。セーフ。
11位タイ 見極める 2回 (閃Ⅳ21回)
きました。見極めるって字面見て思わず笑ってしまったら閃構文性疾患の可能性大です。
折角なので、ヴェスペリアでは何を見極めたか見てみましょう。
ジュディスが見極めさせてほしいと言っている問題は、“エステルを殺すべきか?”です。
ジュディスとフェローは、世界に害を及ぼす“ヘルメス式ブラスティア”を壊すことを目的としています。しかし、そのブラスティアと同じ能力を持つ人間であるエステルをどうするかという問題が発生します。フェローはエステルを殺そうとしますが、ジュディスは殺すべきかどうか見極めさせてほしいとフェローに頼み、フェローもそれを了承します。
ジュディスは、旅を通じ、他者のために力を使うエステルを害のある存在ではないと判断します。また、エステル自身をどうにかするのではなく、根本的原因(力を使うことによるエアルの暴走)を取り除くことに手段を切り替えます。これは、ユーリ達の力を信頼したからこそできる発想です。そして、それらの対策が失敗した場合は「私がエステルを殺す」とフェローに約束します。
旅を通じて判断しており、その甲斐あって別の対策案が生まれている点がいいですよね。場合分けをして、最悪の場合殺すと名言しているのもグッドです。
つまり、ちゃんと見極めてる!
行けたら行くねって言ってほんとに来たみたいな驚きです。
10位 腹を括る、腹を決める 3回 (閃Ⅳ18回)
これも信頼性ゼロワードですね。ですが、もしかしたらユーリなら…。中身を見てみましょう。
このスクショは、ユーリがラゴウを殺害した直後のシーンです。ユーリの唯一の希望は“法が人を裁く”ことでした。しかし、罪人であるラゴウは一度は逮捕されましたが、自身の立場を利用してあっさりと釈放されてしまいます。法が無力である現実は、法を是正しようとするフレンのやり方も意味を成さないことを意味します。今、弱者を救うためにはラゴウを殺すしかないと考え、罪を承知でそれを実行します。
ちなみにこの時のフレンは、ユーリがギルドを作ることについて言っていると勘違いしています。
その後、ユーリはキュモールも殺し、それをフレンに見られ問い詰められます。その際に、『腹を決めた』という言葉の意味は自分の手を汚してでも悪人を殺すことであると説明します。
つまり、ユーリは言葉通り腹を決めています。
続いてこちらのシーン、何をすることに腹をくくったのでしょう。
エステルは敵の親玉に利用されており、自分の意思に関係なく力を使ってしまっています。それを救出するためにユーリたちは動いていますが、もし手遅れであった場合、エステルをどうにか止める、つまり、エステルを殺す必要があります。ユーリはその覚悟をしています。ユーリの葛藤と決意は、一人でエステルのもとへ行こうとする場面や、レイヴン、パティとの会話など様々なシーンで見ることが出来ます。
つまり、ちゃんと腹くくってる!
政治をする政治家もいるんだーみたいな感動があります。もはやよくわからんけど。
8位タイ というか 8回 (閃Ⅳ398回)
8!?はちってことはないでしょう。だって閃の軌跡Ⅳでは398回使ってたんですよ?
これはあくまで憶測なんですが、バンナムは閃構文性疾患の存在にいち早く気づいていた可能性がありますね…。つまり、『というか』の危険性を理解しています。並のゲームメーカーなら語尾に『というか』をつけないと文章が完成しませんが、それ無しでテキストを構築するノウハウを確立しているとは…。技術力の高さに脱帽です。
というか、めっちゃ真っ当な使い方してますよね。正直、スルーしてしまった『というか』が結構あるかもしれません。
8位タイ あ…… 6回
この『あ……』は、ふと何かを発見した時に発せられる『あ』です。「私たちは仲間じゃないんですか!?」「……ぁ……」の『あ』ではありません。
つまりこれも真っ当な使い方をしているということです。回数もたった6回。
7位 さすが 7回 (閃Ⅳ146回)
このフレンは只者じゃないですね。閃構文の基本がばっちり抑えられていますし、間投詞を最後に持ってくる辺りがシャレオツです。
6位 バカっぽい 10回
天才少女リタの口癖です。天才が他人を見下している、というような安易な使い方をしているわけではなく、ツッコミとして機能させている点に好感がもてます。このセリフ、50回くらい出てきた気がしますが数えてみると意外と少ないものです。
ちなみに、ジュディスも『おかしいわね』という口癖があります。
ジュディスに本心を問うような場面で見られる返しで、ミステリアスなキャラであることを印象づけています。実際には、ジュディスの言葉自体にウソはなく、プレイヤーが勝手に疑っているだけなので、誘導とキャラ付けが上手くできています。
これらのことからわかるように、特徴的なセリフというのは少なくていいのかもしれません。
5位 ~するとしよう 11回 (閃Ⅳ184回)
ユーリがさらっと場をまとめているシーンです。ユーリ自身の心の余裕が見えるのと同時に、「先を急ぐぞ」のように一方的に言うのではなく、暗に同意を求める形にしているため、彼が集団をまとめる能力に長けていることがわかります。
パーティメンバーではユーリとレイヴン、他にはボスキャラが使用していたと思います。
この表現の主な役割は、キャラに『余裕や貫禄を持たせる』ことです。
当然、閃の軌跡でも同様の目的で使用されています。しかし、みなさんが指摘されている通り、誰彼構わず使います。というか、余裕しゃくしゃくキャラが多いのでしょう。そりゃ見てて疲れますわ。
4位 掟 31回
ヴェスペリアのテーマの一つに、人間社会におけるルールの在り方があり、作中では帝国における『法』と、ギルドにおける『掟』という形で表現されています。
掟という言葉がそりゃもうわんさか出てきて、体感では100回は聞いたような気がします。でも31回、やはり意外と少ないです。
3位 けじめ 35回
前項に関連して、掟に反した場合に責任をとる、という意味で『けじめ』も多用されます。
そもそも、テイルズの場合、作品毎に明確なテーマが存在しており、そのテーマを表す言葉を繰り返し使用してプレイヤーに意識付けを促しています。例えば、グレイセスでは『家族』、ベルセリアでは『流儀』が繰り返し使用されていました。確かにやりすぎでちょっと鬱陶しく感じることはあるのですが、意図が明確だということが重要だと思います。
2位 …… 129回 (閃Ⅳ ……ぁ…… 333回)
テキストは「…………」なんですけど、実際のボイスは『くっ…』、『ふふっ…』『はぁ…』、『ん…』など様々で、「今苦しんでいるのはあの人なんです!」「……ぁ……」の『あ』もこれに含まれます。もちろん、テキスト通り無言の場合もあります。
つまり、こういった間投詞は馬鹿正直にテキストに起こさなくても表現できるということです。もちろん、ボイス収録現場での打ち合わせは必要でしょうが。
これはもうまじで日本ファルコムさんも採用してほしいです。
1位 です? 144回
エステルのわかりやすい特徴ですね。それこそ1000回くらい使ってそうなイメージなんですが、144回です。閃Ⅳでは、『というか』は誰でも使うとはいえ、398回。どれだけ異常な値か改めて実感できました。
ちなみにラゴウも1回使ってました。
いかがでしたでしょうか。気になるテキストランキングとか言ってますが、違和感があるテキストはほぼ皆無でした。ヴェスペリアのテキストは素晴らしい!と思った方は恐らく閃構文患者です。これが一般的なゲームです。
以上、テイルズオブヴェスペリア気になるテキストランキングでした。