まゆげのゲームレビュー

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【SEKIRO/隻狼】個人的死因ランキング<クリアしてしまえばいい思い出>

※SEKIROのネタバレが含まれます。

※本記事の読了目安時間は10分前後(約6400字)です。

 

こんにちは、まゆげと申します。

いわゆる死にゲーとして名高いSEKIRO、誰にどれだけ殺されたかをランキング形式で振り返りながら思い出を語ってみたいと思います。

回生が使える状態の死はカウントせず、鬼仏に戻される死を1回とカウントしています。それではいってみましょう。

 

 

死因ランキングベスト10

9位タイ 鬼庭形部雅孝 8回

このゲームの最初の関門でしょうか。主導権を握っているのは敵であり、プレイヤーはそれに対処してね、というこのゲームの根本的な仕組みをわからせるために、馬という形で抜群の機動力を演出したのは見事だと思います。

今にして思うと、なぜこいつに8回も負けたのか疑問なのですが、最初は自転車に乗れなかったことと同じかもしれません。

 

9位タイ 破戒僧(1回目) 8回

お蝶と同じく、体幹回復型なので弾き主体で戦ってきた人は苦戦を強いられるかもしれません。しかし、それもステップを思い出してねという製作者からのメッセージなのでしょう、良ボスです。

実はこいつのことは買う前にプレイ動画で見て知っていました。4人中2人くらいがこいつと戦っており、何となくの攻撃パターンはわかっていたのが幸いして、あまり苦戦しませんでした。と言いながら8回死んでますが。

 

8位 七面武者 10回

正確に言うと、井戸底で7回、宮で3回、獅子猿のねどこで0回です。井戸底で2回瞬殺されてから「これはたぶん何かしらのアイテムが無いとムリ」と判断して無視、しばらくしてから神ふぶきの存在に気付きいざリベンジ。その時に対空忍殺のチュートリアルが表示され、「対空忍殺ってにわとり専用スキルじゃなかったのか!」と感動してぴょんぴょんするも一度も決まりませんでした。諦めて普通に攻略しました。対空忍殺むずすぎじゃないですか?あと、ビームの避け方がいまだにわかりませんが、紫傘を手に入れてからはかなり楽になりました。

 

7位 獅子猿 11回

このゲームの中で一番好きなボスキャラです。最初は圧倒的な身体能力で飛び回ったり、ババコンガよろしく屁をこいたりと猿のテンプレみたいな存在ですが、作中最も派手な忍殺をくらってから一転します。

首を落としたときは思わず「うおおっ!」と声を挙げ、「いやー容赦ないですな狼さん」なんて思っていた矢先、自らの生首をガシリと掴み、大太刀を拾いあげるもんですからさらに「うおおっ!」となりました。いやいや忍殺って出たやん!うそつき!そして、おどろおどろしいBGMと舐めるような攻撃モーション、果てはぐちゃりと生首を戻しての絶叫でホラーへまっしぐら、さっきまでスカトロジーに興じていた猿とは思えません。大猿っていうのは夜叉猿しかりラージャンしかり強キャラが多いですよね。

 

6位 大忍び・梟 20回

形代が尽きて手裏剣が投げられなくなってしまい、敵の体幹回復を防ぐ手段が思いつかなかったため、最終的には、手裏剣×2からのジャンプ斬りをステップ回避してチクリだけに集中して防御に徹しながら戦いました。ひとつの行動に対する反撃だけでも勝てるようになっているのはある意味親切設計と言えるでしょう。

ちなみに、下手なタイミングで突きをすると見切りをされます。そうか、見切りはこちらの専売特許ではないのだな、さすが忍び!と感心しました。

 

5位 まぼろしお蝶 22回

SEKIRO界のイャンクックことお蝶夫人です。最初に倒すボスとなると鬼庭形部かお蝶だと思いますが、私はお蝶から倒しました。序盤とは思えないあまりの強さに多くの人はこのばばあ!!と怒号を飛ばしながら戦ったことと思います。1コの種鳴らしがなんの気休めにもならないことに絶望、幻が出たらひたすら走り回るプレイングをした人も多いのではないでしょうか。

ですが、その中身をよくよく見てみると、空中からは投げ、地上では下段しか危険攻撃をしてこないので慣れれば十分に反応することができます。戦闘開始時に避け攻撃で体力を減らすことを説明したり、削り飛び道具を使ってくることからステップを使うことを促してプレイヤースキル向上に大きく寄与した良ボスです。

 

4位 葦名流 佐瀬甚助 26回

ボスを含めても作中随一の初見殺し技を使ってくる佐瀬さんです。皆さんも彼に切り刻まれたかと思います。私はまずバクステで居合いが避けられなかったのでステップに対する信頼性がゼロになり、前か横に避けるという発想がなくなりました。そして、ガードの上から削る斬り攻撃って聞いてないんですけど!話が違うんですけど!と怒り心頭、後にロード画面で居合いはガードしても削るよみたいなTipsを見て、先に言えよ!と更に激昂しながら色々試した結果、なんだ横ステップでええやんけとなりました。

こいつの上位互換の水生は横ステップが見事に通用せず4回死にましたが、傘のおかげでなんとかなりました。傘めっちゃ強いですよね。

色んな方の実況プレイを見ましたが、私ほど苦戦している方はおらず、皆さんあっさり連続弾きで対応していました。私ってすげーバカなのでは。

 

3位 剣聖 葦名一心 34回

googleで剣聖と入れると葦名一心が一番にサジェストされます。剣聖と聞いてリィン・シュヴァルツァーの名が出てこないなんて天下のgoogleもまだまだ世間知らずと言わざるを得ないところですが、それだけ急激に知名度を挙げた一心さん。リィンさんは中伝はおろか奧伝に至るまで通信教育で済まして剣聖となった存在ですが、一心さんは葦名流の祖ですからね。リィンさんが道重さゆみなら一心さんは中澤裕子くらいの貫禄があります。なんか違うか。

というわけで一心改め中澤裕子ですがラスボスにふさわしい強さを誇ります。弦一郎さんも前座だと舐めていると普通に負けたりします。色んな人のプレイ動画を見ても不思議とこの傾向があって、「あー、弦一郎はわかったわ、こいつは大丈夫!」とか言いながらぼこぼこっと負けてたりします。

こいつのいいところは葦名流の技をはじめとして、これまでの敵と類似した技を使うんですよね。これほどまでに集大成を飾るに相応しいラスボスもそうはいません。

 

2位 怨嗟の鬼 50回

個人的には作中最も強かったです。やはり火を纏った攻撃のせいでなんでもかんでも弾く、というスタイルが通用しない点が強キャラたらしめる要因でしょう。火球を飛ばしてきますが、これがガンダッシュしてギリギリ当たらないくらいになっているというのが緊張感を煽ってくれて好ポイントでした。火の傘と指笛がなければプラス10回は死んでたと思います。鬼の正体と相まって忍殺時の演出は作中で一番好きです。

 

1位 葦名弦一郎 59回

死に過ぎ。色んな人のプレイ動画を見ましたがみなさん20~30回前後くらいで倒しているような気がします。でもとにかく強かった。お蝶、鬼庭形部ときて次のボスがこいつですからね。飛ばし過ぎでしょ。突き、下段、投げを持ち、さらには弓矢を使うので遠距離も安心できないまさしく強キャラです。月華の剣士の黄龍を思い出しました。

53回目の挑戦で第一形態を倒して、やったー!!っと喜んだのも束の間、まさかの第二形態。まじで絶望しました。が、やはりうまくできており、雷攻撃と遠距離突きくらいしか攻撃パターンは増えないので割とすぐに対処できます。死にまくっただけあって、こいつを倒したときが一番嬉しかったかもしれません。

初回プレイ時は、ゲーム中で最も苦戦したボスですが、一度戦い方がわかってしまえば驚くほど簡単に攻略できるようになるボスです。発売当初はあれだけ強すぎるボスとして名を轟かせましたが、今となってはどこか不遇の弦ちゃんとなっているのも愛嬌があっていいですね。

 

ランキングは以上となりますが、せっかくなので全死因も振り返ってみようと思います。

 

全死因

ザコ・ステージ系 計51回 (全体の14%)

・転落死 4

・でぶ 1
・大砲 1
・焼死 2
・矢 1
・本城の屋根のザコ 3
・野盗 2
・水色侍 7
・こなき爺 1
・鉄砲砦 6
・廃寺 4
・城のザコ 2
・やり小僧 1
・ひそひそ侍 1
・宮の年寄り 5
・宮の貴族 2
・赤いザコ 7
・赤目実験体 1

 ザコキャラは名前がわからないので適当です。死んだらとりあえず回生して戻るか次の鬼仏まで突っ走るっていうプレイングだったので、実際にはこの数字以上に苦しめられています。ステージも油断してると死にまくるのが面白いですね。特に難しかったと記憶しているのは平田屋敷と鉄砲砦でしょうか。ザコキャラは城の葦名流を使う水色侍と終盤の内府の赤い二刀流侍が苦手です。

 

中ボス系 計93回(全体の26%)

・忍び狩り 弥山院圓真 2
・うわばみの重蔵 7
・赤鬼 0
・侍大将・山内典膳 0
・火牛 2
・侍大将 松本内臓佑 0
・葦名流 佐瀬甚助 26
・甲冑武者 6
・孤影衆 太刀足 8
・山内式部利勝 2
・七面武者 10
・蛇の目 シラハギ 0
・首なし 3
・長手の百足 仙雲 1
・蛇の目 シラフジ 1
・長手の百足 ジラフ 2
・牛飲の徳次郎 0
・霧籠りの貴婦人 0
・水生のお凛 5
・赤鬼天守 2
・影衆 忌み手 4
・孤影衆 槍足の正長 4
・宮の桜牛 2
・淤加美の長 静 0
・葦名七本槍 鬼庭主馬雅次 1
・赤備えの重吉 1
・葦名流 水生氏成 4

 

中ボスでも強い敵が多かったですね。中ボスはとりあえず一度逃げてから忍殺して1ゲージ奪ってから戦うというチキンプレイしてました。

うわばみの重蔵は思い出深いです。かなり序盤で戦いますし、取り巻きが5~6体いるのでとにかく苦戦しました。

甲冑武者も苦労しました。「刃など通さん!」とか言ってましたから「あ!これ何か言ってたな!」とぴきーんと思い出しました。

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そうか、鎧を剥がすってことか、よしアイテム探しに行こう!

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なるほど、槍か!よっしゃ、待ってろ甲冑武者!

が、意気込んで挑むも一向に剥げない。え?忍殺するタイミングで使うとか?が、だめ。操作を見ると刺したあとに引き戻すことができるとのこと。それだー!が、一向にはげない。え?どういうこと??えーわからん、どうやって剥ぐんだろ、あ、なんかこれ落ちたりしないかな… どんっ

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あ、ほんとに落ちた!こういう攻略もあるんだな、でも鎧はどうやって剥がせばよかったんだろ…って感じでした。実況プレイを見てるとみんなあっさり落としててびっくりです。槍を使うと勘違いした人は少ないのでしょうか…。

太刀足はイヤな思い出です。このゲームでは珍しく、というか唯一狭所での戦いを強いられるのでとにかくカメラワークが悪く、こんなところで戦闘とかゲームになんねぇから!とキレながらプレイしてました。

シラハギはこのゲームで最もひどいチキンプレーで攻略しました。

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毒殺です。逃げ回っていたらいつの間にかシラハギのHPが減っていることに気付き、そのまま放置。『毒地で暮らすものは皆中毒への耐性が高い』みたいなTipsがありましたがシラハギさんは意外とデリケートだったんですね。少しかわいく思えてきます。

 

ボス系 計220回(全体の60%)

・まぼろしお蝶 22
・白蛇 3
・鬼庭形部雅孝 8
・葦名弦一郎 59
・獅子猿 11
・破戒僧 8
・大忍び・梟 20
・宮の破戒僧 2
・鯉 3
・桜竜 0
・首なし獅子猿 0
・剣聖 葦名一心 34
・怨嗟の鬼 50

 

死因の6割がボス戦ということでやはりどのボスも強く印象深かったですね。ほとんどのボスはランキングで語ってしまったので少しだけ。

宮の破戒僧は幻影破戒僧と同じく、プレイ動画で少し見ちゃって攻撃パターンは何となくわかっていたので比較的スムーズに倒せました。首なし獅子猿はかなり終盤で発見し、こちらの攻め力が高い状態だったので運よくノーコンテニューでした。

 

良ボスが多いのは判断基準(=高い技術力)があるから

振り返ってみると、なんてすばらしいゲームなんだ!良バランス!とクリアしたからこその余裕みたいなものをかましてくっちゃべりましたが、それでもやはり難易度調整はすばらしかったのではないかと改めて思います。

めちゃくちゃ難しかったのは事実ですが、終わってみるともっと強いボスがいても不思議ではなかったなと思います。と言うのも、突きか下段か投げなのかをモーションで見分ける必要がある攻撃がないのです。例えば、弦一郎のジャンプ斬りの後が突きか下段の2択ではなく、投げを含めた3択であったならそれだけで超凶悪になったことでしょう。また、もし私が製作側だったらそういうボスを絶対作ったような気がします。

なぜそうしなかったのでしょうか。フロムは、プレイヤーに敵キャラを観察することのみを求めたのだと思います。多くのプレイヤーは、敵キャラよりも自キャラを見てしまいます。自キャラを見ずに敵キャラを観察するということは結構なハードルの高さだと思います。逆に、観察をしっかりできるように、1対1での戦いを前提として、かつ防御状態が最も安全なようにしています。そして、ほとんどの攻撃はキャラクターとの位置関係、弾きの有無などで攻撃パターンが決定しており、予備動作がしっかりしています。それらを正しく観察でき、付け入る隙を2~3見つけられたのならクリアできるようにしています。

強キャラは前提の部分を少し逸脱することで作られています。防御行動が安全とは限らない怨嗟の鬼や、2択を仕掛けてくる弦一郎などがそれに当たります。

彼らがギリギリの強さだったのでしょう。前述のように、危険マーク後の行動が3択であった場合、プレイヤーの反応速度までも求めてしまい、難易度が跳ね上がります。

ここで求められる反応速度とは、モーションを見てからボタンを選択できる技術を言います。佐瀬の居合いも一見反応速度を求めてはいますが、間合いに入ってからの行動は居合い一択であり、予備動作(刀を抜く光)が見えてから対処に必要なボタンの選択肢はひとつ(ステップ)だけです。これがもし刀を抜く光の色でボタンを押し分ける必要があるとなると難易度は急激に上がります。

恐らく、プレイヤーの反応速度で対処させるような攻撃は極力避けるようにしたのではないでしょうか。何故なら、反応速度とは訓練が必要でかつ個人差が大きい部分だからです。

SEKIROのコンセプトはプレイヤーに達成感を得てもらうことでした。そのために手っ取り早いのはより大きな困難を突き付けることです。言ってしまえばいくらでも難しくできるのです。しかしそうはしませんでした。プレイヤーにとって何が困難で、かつどこまでなら出来るだけ多くの人が対応してくれるかという線引きが明確にあるからです。それにより、SEKIROでは反応速度は重視せず、敵のモーション(のパターン)を覚えてもらうことでレベルデザインをしています。

もちろんその基準が合わないという人もいるでしょう。そういった乖離は少しずつ埋めていく他ありませんが、これほど明確に設計思想を露わにしてくれるメーカーはそうはありません。

フォトリアルなグラフィックや壮大なストーリーを作る力だけが技術力ではありません。判断基準を設けることこそが最も大事な技術力だと思います。SEKIROはフロムソフトウェアの高い技術力を示してくれたすばらしいゲームだと思います。

 

何か急に意識高い系の作文みたいになっちゃいましたが以上です!