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【閃の軌跡Ⅳ】Gamer近藤Pインタビュー前編 レビュー<近藤Pはキャラの多さ、演出やセリフを問題視していない>

※本記事は非常にひねくれた解釈をしていますので閲覧にはご注意ください。

※引用記事について、前略と後略の表記を一部省略しています。 

※本記事の読了目安時間は10分前後(約7000文字)です。

 

こんにちは、まゆげと申します。

2月16日にゲーム情報サイトGamerにて、閃の軌跡Ⅳについて近藤プロデューサーにインタビューした記事が掲載されました。

www.gamer.ne.jp

 非常に興味深い内容でしたので、インタビューレビューをしてみようと思います。

インタビュー内容はある程度略して引用しているので、まずは上記リンクから全文を読んでいただくことをおススメします。

ではいってみましょう。

 

閃の軌跡Ⅳの評価は理解している?

――反響などをお聞かせいただけますでしょうか。
近藤氏:「終わってよかった」というお客さんが多いんじゃないかなと思います。

 近藤Pは、閃の軌跡Ⅳの評価を理解しているのだと思います。Ⅳの評価はマイナス意見も多く下手なことは言えず、ストーリーについて肯定的な意見の一つが「終わったこと」です。

会社としての売り上げおよび利益は上がっているのでしょうから、Ⅳは成功したタイトルであり、もっと大きなことを言ってもいいところでこの言動はある意味殊勝と言える気がします。

しかし、終わったことが評価されるべき点と捉え、逆に終わらない作品があっても良いと言っているようにも聞こえます。

普通であれば、終わる(区切りをつける)ことは然るべきことのはず。Ⅳから始めた人にとっては、終わることなど当たり前でわざわざ評価することではないはずです。つまり、この発言はシリーズのファンの意見を前提としていることと、軌跡シリーズは2本で1セットの考え方が根底にあるためです(後述)。

ターゲット層として、シリーズのファンを意識しているが、Ⅳで新規を獲得する思惑は少なかったとも考えられる言動ではないでしょうか。

 

 奥歯に引っかかる言い方

――伏線が数多く回収された中で、また新しい謎が見え隠れしていました。
近藤氏:期待してくださる方がいる間はやっていこうと考えています。

 インタビュアーさんは、残された謎は今後どのように展開するのか教えてくれと訊いています。

「実はⅣの中の何気ない会話の中にも色んな伏線を散りばめており、次作以降意外なところで繋がるかもしれません」みたいなことを言うものかと思えばこの回答。ファンの期待には応えたいという姿勢は嬉しいのですが、かなりひねくれた見方をすると、ファンがいる限りは終わらせずに出来るだけ引き延ばすという風にも聞こえてしまいます。

 

軌跡シリーズは二作に分けている

――一年のスケジュールの中で苦労された点、逆に前作から上手く繋げられた点など、開発の感触をお聞かせください。
近藤氏:軌跡シリーズは二本セットで作っているんです。(中略)会社に迷惑をかけていたら続けさせてもらえないというところから始まっています。(中略)二作に分けたからこそできるタイトルであればきっとそれは受け入れてもらえるだろうと。だから軌跡シリーズは壮大さみたいなところを追求する部分もあるんですけど、そういう意味では僕らにとって想定通りの内容ではあるんですよね。

ユーザーも気付いてはいることですが、ここまで堂々と言われると驚きます。
二作を作るのではなく、二作に分けると言っています。商売のために、元々は一作のものを二作に分けていると言っています。分割商法と認めています。分けるという表現は完全に失言ではないでしょうか。ストーリーの水増しも認めたようなものですから。

まぁそれでも分割商法自体は別にいいと思います。が、それであればタイトルに入れればいいだけの話です。Ⅳでようやくthe end of sagaと入りましたが。最初から分割すると決まっていて、なぜⅠ~Ⅲのタイトルでそれを示さなかったのでしょう。そうすればⅠとⅢのEDの評価も変わったでしょうに…。

というか、想定通りとか言っていますが、閃の軌跡マガジン2のインタビューでは、ⅢとⅣは元々は一作だったけど、やむなく二作にしたと言っていたようなので、矛盾してませんか。

 

どこまでが計算? 

――今回ロストアーツや機甲兵召喚などの新要素があったと思うんですけど、この辺りは「閃の軌跡III」をスタートさせた段階から、追加する要素をある程度決めているのでしょうか?
近藤氏:「閃の軌跡III」を始めた段階で、次にこうするというのが明確になってるわけではないんですけど、「閃の軌跡III」を踏まえての反省点や改善点は出てきますので、「閃の軌跡IV」までの間に短期間ではあるものの、変更点を詰める時間を設けて決定します。

かなり突っ込んだ質問だと思います。言い方を変えれば、Ⅳで新要素として出すために、Ⅲではわざと出さなかったのかと訊いています。

が、さすがにそういう訳ではないみたいですね。実際、Ⅳのレビューでは、バトルはまだ大味ではあるものの、改善を認める声も多くありました。

 

ストーリー先行ではなくキャラ配置を先行させている

――今回はゲストキャラクターも多くパーティ編成が目まぐるしいという印象がありました。また、個人差も含めてキャラクターの幅が広いのでバランスを考えるのも大変だったと思いますが、そのあたりは意識されているのでしょうか?
近藤氏:パーティに必然性の強かった前作を受け、お客さんそれぞれに特定のキャラクターに思い入れがある状況で、その期待にどうやって応じていくのかというところがスタート地点になっています。お客さんの要望にここまでは応えられるというラインがあって、その中でゲームとしての多様性を用意しておくというところで、キャラクターをタイムテーブル上に置いていくという作り方をしています。当然バランスなどで厳しい部分はありますが、(パーティキャラクターとして)出てこないの?使えないの?という声も出てくると思うんです。今回は帝国編のラストですし、ゼムリア大陸のストーリー中盤の大きな締めくくりでもあるので、自分たちでどう落とし所を作っていくのかと考えた時、ある程度キャラクターの多様性はあったほうがいいのではないかという答えでした。

これまた突っ込んだことを訊いてます。目まぐるしいというあまり肯定的ではない表現を使っており、その背景にはそもそもキャラが多すぎるのではないか?その意図は何なのか?そのせいでバランスも悪くなっているのでは?と訊いているような気がします。
これに対して、近藤Pは(ユーザーの要望に応えるように)キャラクターを配置させることをスタート地点としていると言っています。まじかよ。つまりこれがキャラクターが動かされているように感じる原因です。あっさりと認めました。認めるというか、それを問題視はしていないようです。また、バランスよりもキャラの多様性を優先したとも言っています。そこまで言われたらもはや文句言えませんが本当にそれで良いのでしょうか。

一見すると判断基準が明確ともとれますが、そもそものコンセプトはキャラではなくストーリーであるはずです。キャラゲーRPGと謳うならそれでいいのですが、ストーリーRPGと銘打っているのだから、自信の持てるストーリーがあってこそじゃないのでしょうか。キャラを先に動かしたらストーリーが破綻するに決まっています。

 

キャラの多様性がもたらす自由度への影響

――ランディ、ティータ、デュバリィのように同行する頻度が高いキャラクターは装備の変更ができる一方で、エステルやロイドのように装備が固定のキャラクターもいました。そのあたりの自由度の区分けはどのように決めたのでしょうか?
近藤氏:ユーザーの方にとっても、装備を変更させることはものすごく負担になるんですよ。(中略)その頻度がさらに増えてしまうとプレイ時間の何割かが取られてしまうという試算を一回出しました。(中略)キャラクターの多様性と天秤にかけた上で、それでも多くのキャラクターが戦闘に参加してくれたらきっと嬉しいと感じてくださる方もいると思い、今回の参戦のかたちにしています。反省点として、もう少し自動で装備するようなシステムを充実させれば良かったというのは出てますので、そのあたりは次回作以降の課題になるかなと。

これまた面白い質問です。キャラの多様性とは言うけど自由度を犠牲にしている部分があるじゃないか?ともとれる質問です。
近藤Pの答えは納得です。装備変更の負担を理解し、さらにプレイ時間の試算を踏まえて装備固定キャラを入れたようです。反省点と手段も提示しています。自動装備システムについてもレビューで少なからず言われていたことですので検討に期待です。

しかし、これらの制作時の葛藤は、やはりコンセプトがぶれているが故だと思うのです。根本的な問題はコンセプトのずれで、そこから派生してキャラ多すぎ問題や装備付け替え面倒問題が発生しています。
キャラ多すぎ問題はユーザーの意見に声を傾けすぎた結果とも取れますので、ユーザーが声を挙げるというのはやはり効果があるのでしょう。でももしそうならまず手をつけるべき改善ポイントはいくらでもあるのに無視しているのは何なのでしょうか…。 

――最後の戦闘とかは「おおっ!」って思いましたが、やはりキャラクターが多いからこそできることだなと。
近藤氏:チーム内ではまたこのパターンなのかみたいな話は出たんですけど、でも最後だしそこはちゃんとやろうよという話になったんです。塩の杭のパートはチャレンジではありましたが、ユーザーの皆さんに喜んでもらえた部分もありましたし、開発チームとして得られるものもありました。この経験を経て次はこうしようというところも出てきました。

キャラ多すぎ問題のメリットについてもちゃんと触れるインタビュアーさんがステキです。

キャラ総出演は確かにWIN-WINとなっている部分ではあるのですが、過去作キャラに依存しすぎないようにしてほしいです。

 

演出は若年層を意識している?

――個人的には英雄伝説シリーズは、終盤で仲間が集まって強大な敵に立ち向かっていく過程が好きで。歴史が長いと守る伝統の部分と、変えていかないといけない部分のバランスは悩むところだというのは、プレイしながらも感じていました。
近藤氏:長くシリーズを続けていくと、作っている方はやはり疲れていくんですよね。物量もあるし、お客さんが望んでる方向性をいろいろ考えたりもします。自分たちも17、8年かけてきた中で、始めた当時の気持ちと全く同じではないところもあって。もう少し大人っぽくてもいいのかなと思ったりもするんですけど、PS4なので10代、20代の方も少なくないですし。

そしてついにお約束演出について言及していきます。
近藤Pのこの答えは何なのでしょう。演出をもう少し大人っぽくしたいが、敢えて若年層を狙って青臭い演出にしているということでしょうか。しかしそうなると新規層を意識しているということなのでしょうか。冒頭の質問の答え方からそうとも思えませんが。そもそも若年層にあの演出はウケていると思っているのでしょうか。
というかPS4=若い層という解釈は全く意味がわかりません。おっさん向けハードって何?ネオジオ?

 

収穫と課題は?

――「空の軌跡FC」から続けてきた遊びを変えていくという点も含めて、収穫とか課題があればお聞きしたいのですが。
近藤氏:コマンドタイプというものをちゃんと詰めていけば、日本的なものではあるけれど海外の人にも評価いただけるというところで収穫はありました。

何が収穫で何が課題かという質問。シンプルながらもテーマを相手に委ねているので非常に興味深いです。
収穫に関しては、コマンドバトルを詰めていけたことを挙げています。
コマンドバトルに関しては、レビューでも散々言われている通り、やれることが多彩で選択肢が豊富なのは良いのですが、バランスが大味すぎるのでもう少し詰めてほしいところです。
そして残念ながら課題については触れずに話が進みます。

 

確実に向上しているユーザビリティ

――軌跡シリーズはストーリーを楽しんでる人も大勢居る中で、「閃の軌跡IV」ではオートモードが実装されましたね。
近藤氏:ストーリーを楽しむ時には普通の速度でゲームを遊ばれて、やりこみ系のものをやる時にスピードアップさせるという方とか、逆に1週目はガーッとスピードを上げてプレイしてエンディングを確認してから、2周目は普通の速度で落ち着いてゆっくり細かいところまで重箱の隅をつつくという方もいて。オートモードはお客さんによって使い方はいろいろあるんじゃないかというのは僕らの方では考えてます。
――今お聞きした部分だけでも、オートモードによって選択肢は増えるんだなというのを改めて感じました。
近藤氏:そのあたりのプレイアビリティはどんどん上げていかないと、ゲームもすごい速度で進化してるんで。ソーシャルゲームでは簡略化するとかUIのわかりやすさとかも工夫していますし、そういうものに合わせていかないと、と思っています。

バトルのオートモードを例にとって、ユーザビリティを向上しましたね、という話です。確かに、こういった選択肢の与え方や親切設計については、ファルコムは非常に優れていると思います。

 

情報(ストーリーの真相)の出し方を課題とは捉えていない

――シリーズを通じてのシナリオ面もスケールの大きな話ばかりなので、見せ方の部分だったり、キャラクターたちの会話から引き出す情報の難しさはあるのかなと思っています。
近藤氏:情報を出すタイミングはものすごく気を遣ってますね。結構な情報量なので、このタイミングでこういう情報を出します、だからこういうイベントになるんですとか、そういう逆算で設定していきます。その場面でいるのはこういうメンバーだというのも、実は情報を管理するためにセッティングしてたりするんですよ。(中略)ゲームをプレイする際は小説を読むみたいにじっくり読むというわけじゃないと思うので、読んでわからせるのではなくて、見て伝わるような情報の出し方を心がけてるという感じですね。

話がスッと変わり、情報がプレイヤーに開示されるタイミングについての話になります。インタビュアーは、難しさと言っています。つまり、見せ方が上手かったと言っているわけではなく、難儀したのでは?と言い、先ほど課題について近藤Pから話がなかったので誘導しているようにも感じます。
それに対しての近藤Pの回答は、気を使ってはいるが特に課題とは感じていない様子。確かに情報を開示するタイミングは管理徹底しているなという印象です。タイミングが優れているとは思えませんが。そして見て伝わるような情報の出し方を心掛けていると言っていますが、例えばどの場面のことを指しているのでしょうか…。

 

セリフを問題視していない

――「閃の軌跡」シリーズでは、キャラクターの喋り方や言葉遣いが独特だなと感じていたのですが、キャラクターたちの立ち位置とか表現の仕方とかで意識されたのでしょうか。
近藤氏:所属する組織はもちろんなんですけど、口調とかはやっぱりキャラクターからフィードバックして決めることが多いですよね。
――単語とかも結構、例えば「面映い」など昔ながらの表現を使うなというのは印象に残っていました。
近藤氏:昔ながらの人が出てくれば昔ながらの言わせ方をする一方で、子供たちにはそういう使わせ方はしないです。
――そのあたりは書かれている方々が意識されている感じでしょうか?
近藤氏:そうですね。あとは単純に世界観もありますので、ライトノベルでしゃべるような口調で話すわけにもいきませんしね。(中略)「白き魔女」でストーリー重視になったあたりから「英雄伝説」の文章スタイルには“若者に対するお小言”のような雰囲気があって、それが「軌跡シリーズ」にも受け継がれていきました。そうやって培ってきた独特のスタイルみたいなものはあるかもしれないです。

よく訊いてくれたインタビュアーさん。キャラの言葉遣いについて、これ以上ないくらい穏やかかつ真正面から斬り込んでくれています。しかも戦犯は誰だ?とも訊いています。
しかし。近藤Pの言葉は、世界観とキャラ設定に合った言葉遣いをさせ、キャラにはあまり砕けた喋り方はさせず、むしろ若者言葉に対するアンチテーゼであると。培われてきた伝統であると。そう言っています。

つまりセリフについて全く問題視していないということでしょうか。絶望。まさに暖簾に腕押し。エステルのスクショが完全にケンカ売っているのはせめてもの抵抗といったところでしょうか。

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インタビュアーのぶっこみ

 

というわけでインタビュー(前編)レビューは以上となります。


インタビュアーの方は、自身がシリーズを通じてプレイしているのはもちろん、ユーザーレビューを一通り認識しており、否定的意見を取り上げながら、かつ話を誘導しながらうまく質問しているように感じました。すごい。そしてこれからもがんばってほしいです。このインタビュアーさんは私たちの希望になるかもしれません。

社長の受け答えはある意味予想通りすぎて逆に驚きの連続です。ここまでぶっちゃけていいものなのでしょうか。というかここまでぶっちゃけられたらもはや開き直りのようなもので文句が言いにくいです。私自身がファルコムのターゲット層から外れていると言われたようなものです。ファルコムゲーに文句を言うのは、エロゲを買って、このゲームはエロ過ぎる、もっと健全にしろと文句を言っているようなものです。いや買わなきゃいいじゃん、となってしまいます。なんてこったー。
が、次作も買います。少なくともストーリーRPGと言っている間は。
そして文句言います。

 

と、先走る前にまだインタビューは後編に続くようなので楽しみに待っています。