※閃の軌跡シリーズのネタバレおよび悪口が含まれています。
※軌跡シリーズは閃のみプレイ済です。
※本記事の読了目安時間は15分前後です(約7600文字+図)。
こんにちは、まゆげと申します。
閃の軌跡シノプシスレビュー第3回は、閃の軌跡Ⅲストーリーです。
※過去回はこちら。各回は独立しているため、今回だけ読んでも大丈夫ですが、ストーリーはⅡの続きです。
一応シノプシスのレビューと銘打っていますが、あらすじ紹介+ゲームプレイ時の振り返りみたいな感じになっています。
閃の軌跡Ⅲのストーリー
序章
Ⅶ組にはユウナ、クルト、情報局のアルティナが配属されます。
感想
日本ファルコムHPより引用
リィンはなんとトールズの教官になります。
その目的はトールズの精神を残したいっていうのと、自分とヴァリマールを利用されないためらしいです。
『自分の"道"を見つける。まずはそこからだ。』と言いながら中々そのスタートラインにつけなかったリィンくん。
教官がリィンの道ということなのでしょうか。
何度も言いますが、なぜそこを描写しないのでしょうか。
リィンの進路選択はストーリー上重要だと思うのです。
そしてご存じの通り、Ⅲでのリィンは最初から最後まで利用されまくりです。
トールズの教官になることでなぜ回避できると思ったのか。
初期主要メンバーはなんとリィンくん+3名です。
しかもアルティナはⅡから続投のキャラなので馴染みがあります。
一般的なRPGっぽくなりました。
閃Ⅰはさすがに多かったと反省したのでしょうか。登場キャラの多さは相変わらずですが。
第1章
ⅠでⅦ組が行った特別実習を学院全体で行う感じです。
ただ、その役割は政府から与えられたものであり、帝国内の不穏分子(結社と猟兵団)への対処が本当の目的です。
灰の騎神を持つリィンを据え、その監視としてアルティナが派遣されています。
特別実習先では、Ⅶ組は特務活動として、情報収集と哨戒(と言う名のクエスト)を行います。
初日の夜、演習地は結社の夜襲を受けます。
なぜかわざわざ姿を見せる結社たち。
翌日、結社の暗躍を阻止するよう政府からリィンへ要請が来ます。
結社は神機を起動させて何かをしようとしたところ、リィンたちがそれを破壊します。
感想
閃Ⅲは第1章からはやくも突っ込みたいことだらけです。
舞台はトールズ第Ⅱ分校になります。
第Ⅱ分校の設立には帝国政府の意向が大きく絡んでおり、その目的は結社の動きに対応するためです。
第Ⅱ分校が捨て駒と言われる所以はそこにあります。
第Ⅱ分校(帝国政府)vs結社という多少はわかりやすい図式が出来上がります。
暗躍しているやつがいるところに演習に行く形になるので、珍しくストーリーとゲームシステムがかみ合っているように見えます。これはとてもいい。
ただ、糸を引いているのは政府であり、リィンたちはやはり利用されているに過ぎませんが。
よって、演習がメインになります。
ちなみに演習先への移動手段はなんと第Ⅱ分校専用の列車です。
トールズは皇立ですからね、これは税金で作られた列車だと思います。恐ろしい。
でも、なんと帝国のGDPは一昨年比1.7倍だそうですから。
この数字は第4章のトワのセリフにあるのですが、この部分、面白いことにゲーム中では昨年比1.42倍となっています。
つまり、内戦時はGDP前年比1.19倍、もろもろ併合後は1.42倍となったわけです。
現実世界で考えてみましょう。
10年ほど前から中国は日本のGDPを抜き、その後も急成長を続けていると言われています。
そんな中国でもGDPは例年前年比1.1倍行くかどうかっていうところですから帝国の凄まじさが伺いしれます。
演習先ではⅦ組は特務活動を行います。
特務活動の内容とは、敵性勢力がいないかという情報収集と、演習を現地に受け入れてもらうための手伝いであるとミハイルは言います。
これを聞いたときのリィンは、「成程、Ⅶ組ですね」と言います。
情報集めと手伝いがⅦ組であると言います。
事実上は確かにそうです。
情報収集と手伝いという名のクエストがこのシリーズの大部分を占めます。
一見、目的とゲームシステムがかみ合っており問題がないようにも思えます。
しかし、それらは結果的にそうなっただけのことであり、Ⅶ組とは情報収集と手伝いをすることを目的とした集まりではなかったはずです。
情報収集云々はあくまで手段なのです。
目的と手段が入れ替わるとはまさにこのことだと思いました。
このセリフを書いたライターは間違いなくⅦ組の本質を忘れており、プレイヤーにクエストをさせるにはどうしたらいいかしか考えていません。
ちょっとしたセリフにも目くじらを立ててしまうようになってしまいました。自分がこわい。
演習初日の夜、結社は夜襲を仕掛けてきます。
これはなぜ行ったのでしょう。
邪魔するなという警告のためらしいですが、完全に藪蛇です。
第Ⅱはまだ結社が動いている確信を持てていないのに、わざわざ姿を見せているのです。
焚き付けて神機の相手をさせる、という理由ならわかるのですが、神機の相手としては既にルトガーを準備していたのです。
結社の存在を確認した政府はリィンに阻止するようオーダーを出します。
このオーダーの効力がよくわかりません。
政府からの要請なので相当強い効力なんでしょうけど。
ただ、リィンは断り切れないという描写があるので一応は断れそうです。
で、断りたい理由がなんなのかわからんのです。
いや、なんとなくはわかりますけど、ほんとなんとなく。
リィンの葛藤を描いてほしいです。
なぜそこがないのかわかりません。
リィンはオーダーを受けたあと、この先の死地にいまだ学生でしかないⅦ組メンバーを付き合わせるわけにはいかない、と言ってユウナたちを置いていきます。
これ、死ぬほどおかしいんです。
そもそも第Ⅱ分校は結社と戦うことを想定していたはずであり、そのための特別演習ですから。
というか、現に昨夜夜襲されて戦ってますからね。みんな前向きなのが怖い。
リィンがこの態度を貫けばまだいいのですが、続く第2章では、塞ぎ込んでるユウナと一緒にクルトたちに後から追いついてほしいと言います。
アルティナを置いていくのも謎。
アルティナは情報局の人間としてリィンを監視することが第一のはずです。
アルティナも大人しく言うことを聞くところじゃないはずです。
第2章
案の定結社に夜襲をかけられ、政府から要請が入ります。
特務支援課に手柄を立てられてしまうと帝国政府としては面白くないため、特務支援課は動きを封じられています。
そしてやはり神機を用いた実験を行いたいようで神機と戦います。
感想
政府が特務支援課を封じるというのは面白いですよね。
政府の思惑もわかりますし、ゲームとしても主役交代にならなくて済む。
いや、ここは主役交代したほうが盛り上がったのかもしれませんが。
ただ、レビューでも言われていましたが、ユウナがリィンにクロスベルを返してと言うのは八つ当たりにもほどがあると思います。
当たるならどう考えてもルーファスでしょ。
そして神機実験ですが、ここもよくわかりません。
結社の目的は、神機と騎神を戦わせることにあるはずです。
しかし、第1章で出てきた西風は出てきません。
そうすると当てにするのはリィン(灰の騎神)であり、挑発するために前日に夜襲をかけたと考えるのが妥当そうです。
しかし、いざ神機のもとにたどり着いたら、リィンの騎神召喚を結界で妨害したり、役不足だと言ったりしています。
つまりリィンたちを当てにしたわけではないと。え、じゃあなんで夜襲したの?
カンパネルラは「深淵か、彼らに来てもらわないと」と言います。
彼らというのは特務支援課のことでしょう。
特務支援課、つまり対人戦でも実験できるの?
それならマクバーンが戦うなりすればよくない?
クロチルダとジークフリードもこの時出てきますが、ジークフリードはこのとき初めて結社と面識を持ちます。
つまり、神機の相手は用意されていなかったことになります。
みんなが来なかったらどうするつもりだったのでしょう。
素直にルトガーに頼んでおけばよかったのに。
結社の行動は本当に不可解です。
第3章
やはり結社は神機を起動させるのでそれをなんとか倒します。
感想
舞台はジュノー海上要塞です。
いきなり脱線しますが、なんとこの要塞、内戦後にオーレリアとウォレスが10万の兵力と共に立てこもったらしいです。
これはやばいでしょ。10万ですよ10万。しかも全部軍人。現実世界で探してもないでしょそんなの。10万はやりすぎ。何をもってこんな数字が出てきたのか。
つまらない計算ですが、10万㎡(東京ドーム2つ分)あったとして、1人当たり1㎡ですから。
立てこもるということはある程度の生活が出来るレベル。10万の人間が生活できるってそれはもはや立派な都市ですからね。
しかも海上の要塞ですから。相当な土木・建築技術があるというこです。
もうめちゃくちゃすぎる。
数字が出てくるたびに言ってますが、数字の扱いが雑すぎると思います。
あらすじ関係ないやんって思うじゃないですか。
でもこういう謎設定もシノプシスには盛り込まれているのです。
そして、結社の実験。これは実験の仕方が悪すぎます。
神機の起動はマナを大量に使うので何回も出来ることではなさそうです。
それなのに同じような条件で繰り返す。
2回も失敗してるのだから条件を変えるでしょふつう。
これはもうわざと失敗させてますね。
営業部が開発部に新製品開発を依頼するけど、開発部はリソースを割きたくないから、わざと無茶な条件で実験してムリ!出来ない!って断るやつです。わかりにくい
というわけで3回の実験は全て失敗したものの、結社は実験結果が出て満足、アリアンロードは去り際に、「クロチルダの意を汲むか、組み替えるのか それぞれ答を出しておくとよいでしょう」と言います。
クロチルダの意というのは、黄昏を回避して疑似相克は何とか行おうとすることだと思います。ただ、組み替えるというのはいまだにわかりません。
第4章
結社はおとなしい状態ですが、別の問題として帝国内にカルバード共和国の工作員が入り込んでいるらしく、それらを捕縛することになります。
しかし、一部の工作員たちは暗黒竜の眷族となっているらしく、暗黒竜を退治することになります。
暗黒竜とは何かを説明しますが、上図を見ていただいたほうがいいと思います。
まず、女神の至宝であるアークルージュとロストゼウムが相打ちした際に巨イナル一が生まれました。
それぞれの至宝の眷属である魔女と地精は巨イナル一を七体の騎神に分割してその力を封じましたが、呪いの力は封じることができず、ロストゼウムの聖獣が呪いの大半を引き受けてしまい、黒の聖獣と化してしまいました。
暗黒竜は黒の聖獣の眷族です。説明終わり。
暗黒竜を退治し、共和国工作員も捕縛したトールズ本校および第Ⅱ分校は表彰式に招かれます。
そこでリィンはクレイグからオズボーンが自身の妻と子供を失ったときの出来事を聞きます。
そして祝賀会が開かれます。
そこで皇帝から帝国には呪いが存在することを聞かされ、黒の史書に書かれたことは避けられない内容であるからこそオズボーンを止めない、ということを知ります。
また、新旧Ⅶ組なら違った道が見つけられるかも、という期待をリィンに託します。
オズボーンとも話しますが、リィンの心臓はオズボーンから移植されたもの、ということくらいしか新情報はありません。
そして呪いにかきたてられたアッシュは皇帝を撃ってしまいます。
感想
あらすじには書きませんでしたが、第4章では、アルティナがゴライアスに乗ってトランス状態になります。
トランス状態ってなに?って訊かれてもわかりません。
とりあえずなんかおかしくなります。これって結局何だったのでしょうか。
そしてこの終盤にきてようやくⅦ組が集結します。
その目的は、帝国の現状を見てもう一度Ⅶ組としての答えを出すというものです。
もう一度?これまでになんか答えなんか出したっけ?
そもそも言っていることが曖昧すぎて何を問題視してるのかさっぱりわかりません。
そして出した結論は、戦争を回避しよう!&怪しいやつの企みを知ろう!でした。
今更目的が決まるってどうなんですか。
議題を決める会議して議題を決めただけですからねこれ。ダメな会議の典型です。
普通、議題が先にあるから集まる人間が決まります。
そして手段を検討するのが会議です。
Ⅶ組の場合、集まることが目的になっています。
ただの仲良し集団、と言うならもちろんそれが目的でいいのですが。
手段については、共和国工作員の捕縛&お得意の情報収集ということになりました。
前者はまぁ納得できるとして、後者は企みを知ってどうしたいのでしょうか。
結社については実害も出ているわけですから、情報収集している場合ではないと思うのです。
そして散々敵国だと言われてきたカルバード共和国さん。
閃の軌跡では初登場だと思います。
正直、閃から始めた身としてはカルバード共和国がどんな国なのかマジでまったくわかりません。
帝国と同じくらいでかい、みたいな情報しかありませんから。
そして互いを敵視している理由もわかりません。
リィンは、せっかく共和国ともクロスベルとも北の猟兵とも因縁があるのに、それについては本当にざっくりとしか語られないため、感情移入が全くできません。
そして暗黒竜さん。
一度帝都を滅ぼしてますし、緋の騎神を汚染してますから、閃世界としては最大級にやばい存在のはずです。
が、完全にぽっと出の扱いです。
まず設定を覚えてられないですし、今それどころじゃないから邪魔しないで的な存在です。かわいそうな暗黒竜。
オズボーンさん、「己の心臓は息子に移植した。それが私が撃たれて無事だった理由だ」とか言ってますが、全く理由になってないですよね。もともと心臓ないから!ってなんやそれ。
アッシュがユーゲントを撃つことができたのは、共和国工作員の特殊な銃を手に入れたためです。
アルベリヒが「鍵(アッシュ)の用意はできた」と言っているため、銃をお膳立てしたのはアルベリヒなのでしょうか。
どうやったのでしょう、その辺りもよくわかりません。
というか呪いのためとは言え、いきなり皇帝を撃つっていうのはやはり無理やりすぎる気がします。
デスノートみたいに、不可思議な力は働いているけど一般人から見たらあくまで偶然みたい感じにはできなかったのでしょうか。
閃の呪いの強制力というのは、どこまでがそのキャラの意思なのかわからないので納得しがたいです。特にⅣのヴィクターはひどすぎる。
最終章
結社は実験結果を受けて、幻焔計画達成のためにオズボーンに加担しており、鐘とカンパネルラの儀式によって、黒キ聖杯が出現します。
何が起きているかはわからないまま、リィンたちはアルティナを救出するため黒キ聖杯へ向かいます。
オズボーン、アルベリヒと対峙し、黄昏とは黒の聖獣を終末の剣で殺すことで完成する呪いであり、さらに巨イナル一の復活が目的であることを聞かされます。
黒の聖獣に追い詰められたところでカレイジャス(オリヴァルト、トヴァル、アルゼイド)が援護に来ますが、ジョルジュが事前に仕掛けた爆弾によって爆破されます。
アルティナはセドリックに殺されそうになりますが、目を覚まして黒の聖獣に立ち向かいます。
返り討ちにあいそうなったところをミリアムがかばい、ミリアムは終末の剣と化してしまいます。
鬼化したリィンは終末の剣を振るって黒の聖獣を殺し、黄昏が発動して終わりです。
感想
最終章で一番わからないのは、黄昏が発動したとき、幻獣や魔煌兵が消えたことです。
黒キ聖杯が現れた時は幻獣と魔煌兵がわんさか現れました。
これは霊脈が乱れているかららしいです。
黄昏は霊脈乱しまくりだと思うのですが。
実際に、Ⅳでは黄昏のせいで霊脈が活性化しているから転移が使えるみたいなこと言っていましたし。
化学的には活性化と乱れ(不安定)はほぼ同義だと思います。
つまり、幻獣と魔煌兵は消えるどころかさらに大量発生するはずだと思うのです。
っていうか、そもそも幻獣とか魔煌兵って何…。
ちなみに最終章までの流れはミュゼさんは予期していたらしいです。
ミュゼが流れを予測したおかげで危機を回避したことってありましたっけ。
ミュゼはクロチルダとも絡んでるから黒の史書のことはたぶん知っており、危機はどうせ回避できないから敢えてしないってこと?
そして
終わってねー!!
Ⅰに引き続き、改めてまとめてみると完全に終わってないですね。
区切りが悪く見えるのは読解力のせい?とか思いもしましたけど全然そんなことないですね。
これはクレームきますわ。
ぶつ切りエンドはゲームというコンテンツでやるべき手法じゃないですね。
このエンドから1年でⅣを出して終わらせたのはすごい、と言いたいところですが終わるのが当たり前です。
これでストーリーの振り返りは終わりです。
まとめ
ポイントとなる項目を作ってレビューしたいところですが、その気力がもうありません。
ポイントもわかりません。
リィンの葛藤なのか、共和国との戦争なのか、オズボーンとの対立なのか、ユウナの成長なのか、帝国と貴族の戦いなのか、女神の至宝なのか、結社暗躍の阻止なのか、遊撃士の重要性なのか
きっと全てなのでしょう。
ラーメンにご飯と餃子とアイスクリーム入れるようなものです。
ちゃんぽんにもなっていない。
とにかくキャラ&設定盛り込みすぎ。
謎と突っ込みどころが多すぎ。
唯一、政府の動きにしっかりとした思惑が感じられたのはよかった点かもしれません。
肝心の主人公サイドが後手後手すぎて常にもやもやする内容でした。
それもある意味では感情移入できていると言うべきなのかもしれませんが…。
というわけで、これで閃Ⅲストーリーのレビューを終わります。